実話ベースの作品が好きです。
「実話」で検索して、観る作品を探すくらい。
だから『暗数殺人』も、本来ならかなり好きなはずでした。
実際の連続殺人事件をモチーフにした韓国犯罪映画。
キム・ユンソクとチュ・ジフンが主演で、
殺人犯の告白から警察さえ把握していなかった事件を追っていく。
好きな要素は、かなり揃っています。
でも、最初に観たとき、何も残らなかった。
感想のメモすら残していませんでした。
その後、いろいろなサイトで『暗数殺人』がおすすめされているのを見かけて、
少し気になったんです。
「そんなに評価されているなら、何か見落としていたのかもしれない」
そう思って、もう一度観ました。
それでも、何も感じない。
面白くないわけでもない。
つまらなくて観ていられないわけでもない。
だから気になって、翌日もう一度観ました。
それでもやっぱり、何も残らない。
3回観ても、感情が動かない。
ここまでくると、作品そのものよりも、
なぜ自分の感情がこれほど動かないのかが気になってくる。
そして今も、その理由は分かりません。

どんな人におすすめ?
- どんな人に向いてる?
-
- 実話をもとにした韓国犯罪映画が好き
- 派手なアクションより刑事の地道な捜査を観たい
- 犯人と刑事の心理戦が好き
- 二転三転する供述から真実を追う作品が好き
- キム・ユンソク、チュ・ジフンの演技を楽しみたい
- 静かなクライムサスペンスが好き
個人的にはまったく刺さらなかった作品ですが、「おすすめできない映画」だとは思っていません。
犯人は誰なのかではなく、犯人の言葉のどこまでが真実なのかを追っていくタイプの作品。
派手さを抑えた捜査ものが好きな人には、相性のいい映画だと思います。
- 逆に、向いていない人は?
-
テンポの速い犯罪映画や、
大きなどんでん返しを期待している人には少し地味に感じるかもしれません。事件そのものよりも、刑事と犯人の会話、
証言の矛盾、捜査の積み重ねに時間を使う作品です。また、直接的な残虐描写は比較的抑えられているものの、
扱っているのは連続殺人事件。しかも“誰にも気づかれなかった死”という部分に踏み込んでいくため、
心理的にはかなり重さがあります。
こんな日に観てほしい
派手な刺激ではなく、じわじわ追い詰められる韓国サスペンスが観たい夜に。
犯人探しを楽しむ映画ではありません。
最初から犯人は目の前にいる。
それでも、真実にはなかなか辿り着けない。
そのもどかしさに、静かに付き合える日に観てほしい一本です。
そして、評判のいい映画だからといって、必ず自分にも刺さるわけではない。
そんな当たり前のことを確かめたくなった夜にも。
作品情報
・🇯🇵公開日:2020年4月3日
・ジャンル:クライム/サスペンス
・監督:キム・テギュン
・脚本:キム・テギュン、クァク・キョンテク
・出演:キム・ユンソク、チュ・ジフン、チン・ソンギュ、ほか
実際に韓国で起きた連続殺人事件をモチーフに制作された作品です。
あらすじ
刑事キム・ヒョンミンは、ある男から殺人についての情報を聞き出そうとしていました。
その男の名前は、カン・テオ。
ところがテオはその後、恋人を殺害した罪で逮捕されます。
刑務所に収監されたテオは、ヒョンミンに突然告白します。
「俺が殺したのは全部で7人」
しかし、テオが語る事件を調べても、証拠が見つかりません。
被害者が誰なのかも分からない。
そもそも殺人事件として捜査されていないものまで含まれていました。
警察内部でもテオの告白をまともに受け止める者がいないなか、
ヒョンミンだけは彼の言葉に真実が含まれていると考え、独自に捜査を開始。
やがてテオの証言どおり白骨化した遺体が発見されます。
ところが今度は、テオが証言を覆します。
「殺したのではなく、死体を運んだだけ」
真実を語っているのか。
自分のために刑事を利用しているだけなのか。
証言を二転三転させるテオと、その言葉の中からわずかな真実を拾おうとするヒョンミン。
二人の奇妙な攻防が始まります。
視聴方法
\ PrimeVideoで観る /
\ Huluで観る /
感想|「面白くない」なら、まだ分かる。何も感じないのが分からない
1回目。感想のメモすら残らなかった

最初に『暗数殺人』を観たのは、今回ではありません。
でも、視聴メモを探しても何も出てこなかった。
普段は面白かった作品だけではなく、つまらなかった作品にも何かしら残します。
「ここが好きだった」
「この展開は苦手」
「期待していたほどではなかった」
そんな短い言葉でも、そのとき感じたことは残っていることが多い。
でも、『暗数殺人』にはそれがなかった。
観たことは覚えている。
なのに、感想がない。
そのこと自体、最初はそれほど気にしていませんでした。
評価されているのを見て、「自分が見落とした?」と思った
ところがその後、韓国映画のおすすめを見ていると、
『暗数殺人』を見かけることが何度かありました。
実話ベースの韓国犯罪映画。
これは、かなり好きな分野です。
「実話」で検索して次に観る作品を探すこともある。
だから不思議でした。
好みに合わなかった作品なら、それで終わります。
でも『暗数殺人』は、題材だけを見るとむしろ好きな側にある。
キム・ユンソクもいる。チュ・ジフンもいる。
実際の事件がベース。刑事と殺人犯の心理戦。
これだけ揃っていて、本当に何も感じなかった?
少し自分の記憶を疑いました。
それで、もう一度観ることにしました。
2回目。それでも「無」だった

改めて観れば、何か分かると思っていました。
でも、やっぱり何もなかった。
つまらないわけではありません。
途中でやめたいとも思わない。
ストーリーが分からないわけでもないし、演技が悪いとも思わない。
チュ・ジフン演じるテオのふてぶてしさも分かるし、
キム・ユンソク演じるヒョンミンが地道に事件を追い続ける姿も分かる。
作品が描こうとしていることも分かる。
なのに、
感情だけが動かない。
「面白かった」が出てこない。でも、「つまらなかった」も出てこない。
これが、自分でもよく分かりませんでした。
気になりすぎて、翌日3回目を観た

普通なら、ここで終わると思います。
合わなかった。それだけ。
でも、今回はそれができなかった。
何も感じないことの方が気になってしまったから。
それで翌日、もう一度観ました。
3回目です(しつこい)。
今度こそ何か見つかるかもしれない。
そう思って観たけれど、
やっぱり同じでした。
無。
ここまで感情が動かない映画って、逆にすごい。
嫌いにもならない。
腹も立たない。
退屈だったとも言い切れない。
泣かない、怖くない、という話でもなくて、
本当に感想の置き場所が見つからない。
3回観ても、でした。
チュ・ジフンが悪い?――いや、違う

理由を探してみました。
まずチュ・ジフン。
テオは、人の命を自分の駆け引きの材料に使うような男です。
証言を変え、ヒョンミンを翻弄し、自分だけが知っている情報を小出しにしていく。
ふてぶてしくて、嫌な男。
チュ・ジフンはちゃんと嫌な男に見えます。
だから、ここではない。
キム・ユンソクの刑事が弱い?――それも違う

キム・ユンソク演じるヒョンミンは、周囲が相手にしないテオの告白を追い続けます。
古い資料を調べ、現場を探し、わずかな情報から被害者を見つけようとする。
派手な刑事ではありません。
でも、キム・ユンソクのこういう執念深い役はやっぱり上手い。
『チェイサー』とはまったく違う静かな執念だけれど、役として違和感があるわけではない。
ここでもない。
実話ベースだから?――むしろ大好物
では、題材なのか。
それも違います。
『暗数殺人』は、2010年に韓国で実際に起きた事件をモチーフにした作品です。
警察が殺人事件として認知していない“暗数殺人”を追う物語になっています。
実話ベースの作品は、むしろ大好きです。
映画を観たあとに実際の事件まで調べたくなるし、
「こんなことが本当に起きたのか」と現実と作品を行き来する時間も好き。
だから、本来なら『暗数殺人』はかなり興味を惹かれるはず。
それなのに、動かない。
また振り出しに戻りました。
「暗数殺人」という題材は、ものすごく重いはずなのに

タイトルになっている“暗数”とは、
実際には発生していても統計などでは把握されていないものを指します。
この映画で描かれるのは、警察に殺人事件として認知されていない死。
殺されているのに、殺人事件として存在していない。
被害者がいるのに、その人が被害者だとさえ知られていない。
考えてみれば、ものすごく重い題材です。
普通なら、この部分だけでも何か引っかかりそうな気がします。
でも、不思議なくらい残らなかった。
だから「題材が弱い」とも言えません。
題材の重さは分かっている。
頭では分かっているのに、感情がそこへついていかない。
たぶん『暗数殺人』を観ていて一番不思議だったのは、この距離でした。
理由を探したけれど、結局分からなかった
3回観たのだから、そろそろ何か理由をつけてもよさそうです。
テンポが合わなかった。
被害者が遠く感じた。
淡々とした演出だから入り込めなかった。
そう書けば、それらしいレビューにはなると思います。
でも、どれもしっくりきません。
それを理由にしてしまうと、あとから無理やり答えを作っている気がする。
だから今回は、理由をつけるのをやめます。
分からないものは、分からない。
面白くないなら、「面白くなかった」と書ける。
つまらないなら、「つまらなかった」と書ける。
嫌いなら、どこが嫌だったのかを考えられる。
でも、何も感じない。
しかも、なぜ何も感じないのか自分でも分からない。
こんな映画もあるんだなと思いました。
観終わったあとに残ったもの
最初に観たとき、感想を残せなかった『暗数殺人』。
いろいろなところでおすすめされているのを見て、
「自分が何か見落としていたのかもしれない」と思って、もう一度観ました。
それでも分からなくて、翌日また観ました。
合計3回。
それでも、
この映画について何を感じたのかと聞かれたら、やっぱりうまく答えられません。
面白くなかったわけでもない。
つまらなかったわけでもない。
俳優が悪かったわけでもない。
実話ベースという題材は、むしろ大好き。
なのに、
何も残らなかった。
理由は、今も分かりません。
でも、不思議なことに。
ここまで何も感じなかった理由が分からないから、
いつか答えが見つかるかも入れない。
またいつか、観てみようと思っています。
『暗数殺人』が刺さったなら、次はこれ
『チェイサー』
同じくキム・ユンソク主演。
こちらは『暗数殺人』とは対照的に、とにかく走る、追う、間に合わない。「まだ助けられるかもしれない」という希望を何度も握らされ、そのたびに現実に叩き落とされます。
『暗数殺人』の静かな執念が刺さったなら、次に観てほしい一本です。

『殺人の追憶』
実際の事件をモチーフにした韓国犯罪映画の代表作。
犯人を捕まえる爽快感ではなく、
真実に届かない焦りと、その時代や社会まで含めた重苦しさが残ります。
“解決すること”だけが犯罪映画の面白さではない。そんな作品が好きなら相性のいい一本です。

『悪魔を見た』
こちらは一気に温度が上がります。
犯罪者を追う側の人間まで壊れていく、容赦のない復讐劇。
『暗数殺人』のような静かな捜査ものではありませんが、
人間の悪意を最後まで見せつけてくる韓国映画が観たいなら、この流れで。

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