突然、街にゾンビがあふれたら。
外には出られない。
電話もつながらない。ネットも使えない。
頼れるのは、部屋に残された食料と、窓の外から見える景色だけ。
韓国映画『#生きている』は、そんな極限状態をマンションの一室から描くゾンビ映画です。
派手にゾンビと戦い続けるというより、まずは「閉じ込められた場所で、どう生き延びるか」。
SNS、ドローン、スマートフォン。
今の時代に当たり前にあるものを使ったサバイバルが面白く、展開もスピーディー。
深く考えるより、ハラハラしながら一気に観られる作品でした。
どんな人におすすめ?
- どんな人に向いてる?
-
- ゾンビ映画が好き
- テンポのいいサバイバルものが観たい
- 閉鎖空間で追い詰められていく作品が好き
- ハラハラする映画を一気に観たい
- ユ・アイン、パク・シネの出演作を探している
- 逆に、向いていない人は?
-
ゾンビ映画に、人間ドラマの重さや社会的なテーマを強く求める人には、少し軽く感じるかもしれません。
感染の原因を深く掘り下げていく作品でもなく、中心にあるのはあくまでサバイバル。
ゾンビに襲われる描写や流血表現もあるため、そうしたシーンが苦手な場合は注意が必要です。
こんな日に観てほしい
難しいことは考えず、ただハラハラしたい夜に。
静かな映画をじっくり味わう気分ではない。
かといって、複雑すぎるストーリーを追うのもちょっと疲れる。
そんな日にちょうどいい作品です。
閉じ込められる。
ゾンビが来る。
食料がなくなる。
そして、生き残る方法を探す。
シンプルだからこそ、止まらない。
作品情報
・公開日:2024年6月24日
・ジャンル:ゾンビ/ホラー/サバイバル
・監督:チョ・イルヒョン
・出演:ユ・アイン、パク・シネほか
あらすじ
ある日突然、謎の感染症によって街が混乱に陥る。
感染した人々は凶暴化し、次々と周囲の人間を襲い始めた。
マンションの一室にひとり取り残されたオ・ジュヌ(ユ・アイン)は、
外へ逃げることもできず、部屋に立てこもることに。
電話もインターネットもつながらず、家族とも連絡が取れない。
食料も少しずつ底をつき、孤独と絶望がジュヌを追い詰めていく。
そんなとき、向かいのマンションからひとつの合図が届く。
そこには、もうひとりの生存者キム・ユビン(パク・シネ)がいた。
離れた部屋に取り残されたふたりは、それぞれが持つ道具と知恵を使いながら、
生き残る方法を探し始める。
『#生きている』は、どこで観られる?
感想|SNS時代だからこそのゾンビ映画
ゾンビだらけの街。でも、始まりはマンションの一室

ゾンビ映画といえば、逃げ回って、戦って、大量のゾンビに追われて。
『#生きている』にももちろんそんな場面はありますが、
面白かったのは「部屋から出られない」というところから始まること。
外は完全にパニック状態。
でも、ジュヌにできることはほとんどありません。
テレビを見る。
窓から外を見る。
家に残っている食料を確認する。
そして、スマートフォンやSNSを使って外へ助けを求める。
今の時代だからこその孤立が、妙にリアルでした。
ネットで誰とでもつながれるはずなのに、通信が切れた途端、本当にひとりになる。
ゾンビそのものの怖さだけではなく、誰とも連絡が取れない状況がじわじわ効いてきます。
SNS、ドローン、スマホ。現代の道具で生き延びる

この作品らしさが出ているのが、ジュヌの使う道具。
SNSやスマートフォン、ドローン。
ゾンビ映画ではあまり主役にならないようなものが、生き残るための重要な手段になっていきます。
タイトルが『#生きている』なのも、この作品にはよく合っている。
「ここに生存者がいる」
その事実をどうやって外へ伝えるのか。
世界と切り離されたマンションの中で、
普段なら何気なく使っているデジタルツールが命綱になっていくのが面白いところでした。
パク・シネが、とにかく逞しい

ジュヌが追い詰められていく一方で、向かいのマンションに現れるユビン。
このパク・シネが格好いい。
ロープや斧などを使いこなし、状況を冷静に判断する。
ただ助けられるヒロインではなく、自分で生き残る力を持っています。
ジュヌとはタイプが違うからこそ、ふたりが協力し始めてから映画の空気も変わっていく。
ひとりでは限界だったサバイバルが、
「向こうにも生きている人がいる」と分かった瞬間から少しずつ動き始めます。
孤独の中に誰かひとりがいる。
それだけで、生きる意味まで変わってくる。
「何かありそう」が、本当に何かある

生き残った人間を見つければ安心できる。
そんな単純な世界ではありません。
ゾンビだらけになった街では、誰もが必死。
だからこそ、「生存者=味方」とは限らない。
途中で漂い始める嫌な予感。
何かありそうだと思っていたら、
やっぱりそうくるか……という展開には、ゾンビとはまた違う怖さがありました。
結局、一番恐ろしいのは何なのか。
極限状態だからこそ、人間の「生きたい」がむき出しになる。
誰かを犠牲にしてでも生き残ろうとする人間もいる。
綺麗事だけでは終わらせないところも、この作品の面白さでした。
ヘリの羽が見えた瞬間

そして、一番残っているのが終盤。
もうダメかもしれない。
そう思わせるところまで追い詰めてからの、あの瞬間。
下から少しずつ見えてくるヘリの羽。
姿が全部見えるより先に、「来た」と分かる。
あの見せ方がいい。
ずっと張り詰めていたものが一気にほどけて、ぞわっと鳥肌が立つ。
ただ助かったというだけではなく、
最後まで「生きている」ことを諦めなかった先に見えたものだからこそ、胸が熱くなりました。
観終わったあとに残ったもの
ゾンビ映画なので、怖い。
追いかけられるから、ハラハラする。
でも最後に残ったのは、意外にも「誰かとつながっていること」でした。
ネットが切れても、街が壊れても、向かいの窓にひとり誰かがいるだけで状況は変わる。
そして最後の最後まで、生きていることを外へ伝え続ける。
タイトルの「#」まで含めて、この映画だったように思います。
『#生きている』が刺さったなら、次はこれ
『新感染 ファイナル・エクスプレス』
もっと大規模なゾンビパニックを味わいたいなら。
逃げ場のない列車の中で感染が広がっていく恐怖に加えて、人間ドラマもしっかり重い作品です。
『今、私たちの学校は…』
ゾンビだらけになった韓国を、さらに長く味わいたいなら。
学校という閉鎖空間で、生徒たちが生き残るために動き続けるNetflixシリーズ。
追い詰められていく緊張感が続きます。
『キングダム』
ゾンビものでも、少し違う温度がほしいなら。
朝鮮王朝を舞台にした時代劇とゾンビの組み合わせ。
感染の恐怖だけでなく、権力争いまで絡む重厚な作品です。
韓国映画もオススメです
















