覚悟して観た。
それでも、心の準備なんて何の役にも立たなかった。
覚悟して観たのに、
意味なかったなって思った。
つらい、じゃ足りない。
悲しい、でもない。
ただ、胸の奥に重たいものが残って、
しばらく動けなくなる感じ。
何かが起きる映画じゃない。
ただ、時間が流れていく。
それだけなのに、
目を逸らせなかった。


- 社会問題を扱った映画を、感情だけで終わらせたくない人
- 子育て、母親、家庭というテーマに向き合う覚悟のある人
- 派手な演出より、現実に近い距離感の映画を求めている人
☆☆☆☆☆ 5.0 / 5.0
- ストーリー構成:☆☆☆☆☆
- 心理描写・脚本:☆☆☆☆☆
- 演出・空気感:☆☆☆☆☆
- エンタメ性:☆☆☆☆☆
- 余韻・考察性:☆☆☆☆☆
評価という行為自体が、無力に感じてしまう映画。
作品情報
・公開日:2013年11月9日
・ジャンル:社会派ドラマ
・監督:緒方貴臣
・脚本:緒方貴臣
・出演:伊澤恵美子、土屋希乃、土屋瑛輝
あらすじ
舞台は、狭いアパートの一室。
そこが、幼い姉弟にとっての世界のすべてだった。
母親は家にいない。
理由は語られない。
説明も、弁解もない。
お姉ちゃんは弟の世話をする。
ごはんを探し、
ドアの前で待ち、
「ママ」を呼ぶ。
ただ、それだけの時間が続く。
この映画は、事件を描かない。
描かれるのは、事件が起きるまでの、あまりにも静かな時間だ。
感想
「生活音だけ」の世界が、現実を突きつける
この映画、音楽がほとんどない。
だから余計に、
全部がリアルに感じる。
生活音だけの空間。
足音とか、物音とか、沈黙とか。
カメラも近くて、
ちょっと怖くなるくらい。
覗き見してるみたいで、
でも目を逸らしたらダメな気がして、
ずっと見てしまう。
幼い背中が語るもの
弟の世話をする姿。
食べ物を探す姿。
ドアの前で待つ姿。
どれも説明されない。
でも、説明なんて必要ないほど、胸に迫ってくる。
特に、お姉ちゃんの背中が苦しい。
まだ「守られる側」であるはずの年齢なのに、
彼女はすでに、守る側に立っている。
それを「健気」と呼んではいけない気がした。
これは美談じゃない。
生き延びるために選ばされた役割だから。
「ママ」という言葉の重さ
何度も呼ばれる「ママ」という言葉。
それは責める声じゃない。
助けを求める声ですらない。
ただ、存在を確認したい声。
ただただ、胸が締め付けられた。
「ごめんね」って言いたかった。
許されなくていいから、ただ抱きしめたかった。
子どもにとって、小さい頃ほど、狭い部屋の中だけが世界のすべて。
そこに“ママ”がいないことの重さを、この映画は突きつけてくる。
小さな部屋が、世界のすべてだった頃
子どもが小さい時、
世界はとても狭い。
部屋の中。
その中にあるものが、すべて。
この映画は、
その「狭さ」を、容赦なく見せてくる。
逃げ場のなさ。
助けを呼べない静けさ。
それを「知らなかった」で済ませていいのか、
問いかけられている気がした。
まとめ
観てて、何度も思った。
「もういいかもしれない」って。
「つらい」って。
でも、
ここで目を逸らしたら、
ほんとにダメな気がした。
これは、忘れてはいけない映画。
そして、観たことをなかったことにしてはいけない映画。
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