スタジオドラゴン制作、主演はジュノ。
主演のジュノは『テプン商事』で第62回百想芸術大賞・放送部門の男性最優秀演技賞にノミネート。
作品はNetflixグローバルTOP10(非英語シリーズ)にも4週連続で入りました。
ここまで揃えば、期待するには十分でした。
1997年のIMF通貨危機。
突然、父の会社を背負うことになった自由奔放な青年。
会社を守ること。
社員を守ること。
そして、経済危機の中で生き残ること。
もっと重いドラマになると思っていました。
序盤は、まだその期待があった。
けれど回を追うごとに、その期待は少しずつ薄れていきます。
IMF危機という時代の重さは思ったほど伝わってこない。
会社再建の緊張感も続かない。
そして、何度も繰り返されるピョ商船からの妨害。
またか。
そう思うことが増えていくにつれて、物語そのものへの興味も少しずつ離れていきました。
ジュノはいい。
だからこそ、ジュノの魅力だけではなく、ドラマそのものにもっと引っ張ってほしかった。
評判の良さから期待して観たぶん、残ったのは少し大きめの「残念」でした。
韓国ドラマ「テプン商事」

どんな人におすすめ?
- どんな人に向いてる?
-
- ジュノが好き
- 主人公の成長を見守るドラマが好き
- 仲間と会社を立て直していく物語が好き
- 重すぎないお仕事系ヒューマンドラマを観たい
- 1990年代の韓国を描いたノスタルジックな雰囲気が好き
- 逆に、向いていない人は?
-
- IMF危機を扱った重い社会派ドラマを期待している
- 会社再建の駆け引きや緊張感を楽しみたい
- 同じような妨害が繰り返される展開が苦手
- 時代背景を深く描いた作品が好き
- 主演俳優の魅力だけでは最後まで走り切れない
こんな日に観てほしい
重い社会派ドラマではなく、人の成長や仲間とのつながりを中心にした作品を観たい日に。
IMF危機を扱ってはいますが、その痛みを真正面から突きつけてくるタイプのドラマではありません。
会社を守ろうとする人たちの奮闘や、
何も背負わず生きてきた青年が少しずつ変わっていく姿を、
比較的穏やかな温度で追っていく作品です。
ジュノのドラマをゆっくり観たい。
そんな日には、ちょうどいいのかもしれません。
作品情報
・配信日:2025年10月11日
・エピソード:全16話
・ジャンル:ヒューマン
・脚本:チャン・ヒョン
・出演:ジュノ(2PM)、キム・ミンハ、キム・ミンソク、ほか
あらすじ
1997年。
韓国は、通貨危機によって社会全体が大きく揺れていました。
そんな時代に、経営難に陥った父の会社「テプン商事」を引き継ぐことになったカン・テプン。
それまでのテプンは、会社経営とは無縁の自由奔放な青年でした。
ところが突然、社員の生活も会社の未来も背負う“社長”になることに。
経験も知識も足りない。
それでも、会社を簡単に終わらせるわけにはいきません。
経理担当のオ・ミソンをはじめとする社員たちとともに、次々と訪れる危機に向き合いながら、テプンは少しずつ経営者として、人として変わっていきます。
Netflix公式では、自由奔放だった青年が「大人としての生き方」を学びながら新米社長へ成長していく物語として紹介されています。
視聴方法
感想
評判が良かったからこそ、期待は大きかった

スタジオドラゴン制作で、主演はジュノ。
作品の評判も良く、ジュノは百想芸術大賞の最優秀男優賞にノミネート。
さらにドラマのファンミーティングまで開催されたと聞いていました。
これだけ揃えば、期待します。
そして何より惹かれたのが、1997年のIMF通貨危機を背景にしていることでした。
会社が倒れ、人が仕事を失い、それまで当たり前だった生活が一気に崩れていった時代。
その中で会社を引き継いだ若い社長が、社員を守りながらどう生き残るのか。
会社再建の物語としても、社会を描くドラマとしても、かなり面白くなりそうでした。
序盤は、その期待を持ったまま観ていました。
でも、なかなか深くならない。
そして回が進むほど、その感覚の方が大きくなっていきました。
IMF危機がある。でも、その時代の重さが見えてこない

1997年のIMF通貨危機は、韓国社会に大きな傷を残した出来事です。
企業の倒産や大量失業。
それまで普通に続くと思っていた生活が、経済の変化によって突然失われていく。
『テプン商事』も、その危機の中にある会社を描いています。
倒産の危機もあるし、仕事を取らなければ会社が続かない状況もある。
それでも、その時代を生きる苦しさがあまり伝わってきません。
背景には確かに「IMF」がある。
でも、重くない。
ここが、ずっと引っかかりました。
1990年代のファッションや髪型、オフィスの風景。
画面の中には、その時代らしさがきちんと作られています。
ただ、時代背景は見た目だけではないはずです。
会社が明日なくなるかもしれない。
仕事を失うかもしれない。
家族の生活を守れないかもしれない。
そんな時代を生きていた人たちの不安まで伝わってくれば、
テプンが会社を守ろうとすることの意味も、もっと重く見えたと思います。
1997年という時代は見える。
その痛みまでは、あまり見えてこない。
せっかくこの時代を舞台にしたのなら、もう少しそこまで踏み込んでほしかったです。
ピョ商船。またか、と思うようになってしまった

会社再建ドラマなので、当然うまくはいきません。
仕事を取ろうとすれば問題が起きる。
会社を立て直そうとすれば邪魔が入る。
経験のないテプンが、そのたびに考え、社員たちと乗り越えていく。
序盤は、それも成長のために必要な壁として観られました。
ただ、ピョ商船との対立が続きます。
嫌がらせを受ける。
危機になる。
何とか切り抜ける。
そして、また嫌がらせ。
さすがに途中から飽きてきました。
次はどうなるのか、ではなく、
またこれか。
そう思うようになってしまうと、ドラマを見る勢いも落ちていきます。
会社を立て直していく物語なら、もっと仕事そのものの難しさを見たかった。
取引先との交渉。資金繰り。経営判断。社員を守るために何を諦めるのか。
一つの選択が会社の未来を左右するような緊張感があれば、
テプンが社長として成長していく姿にも、もっと厚みが出たと思います。
妨害されて、それを乗り越える。
その繰り返しが、後半になるほど物語を狭くしてしまったように感じました。
テプンは成長する。でも、その成長があまり痛くない
何も背負わずに生きてきた青年が、人の生活を背負うようになる。
『テプン商事』の軸は、ここです。
最初は会社のことも経営のことも分からなかったテプンが、社員の顔を知り、
会社を守ろうとするようになる。その変化はきちんと描かれています。
ジュノもいい。
自由奔放だった頃の軽さを残しながら、少しずつ責任を背負う顔へ変わっていく。
突然立派な経営者になるわけではないところも自然でした。
ただ、社長になるということは、本当はかなり怖いことだと思います。
自分の判断を間違えれば、会社がなくなるかもしれない。
社員が仕事を失うかもしれない。
その家族の生活まで変えてしまうかもしれない。
まして、時代はIMF危機の真っただ中。
もっと苦くてもよかった。
もっと追い詰められてもよかった。
テプンが成長していることは分かるのに、その過程で負った傷があまり見えてこない。
だから、成長そのものも少し軽く見えてしまいました。
ジュノは良かった。でも、それだけでは足りなかった

ジュノは、最後まで良かったです。
自由に生きていた青年の軽さも、父の会社を背負ってからの戸惑いも、
少しずつ人の上に立つ顔になっていく変化も自然でした。
テプンという人物を追うだけなら、見どころは十分あります。
ジュノが好きな人なら、きっとこの作品の見え方もかなり違うと思います。
ただ、韓国ドラマとして観たときに、そこだけでは最後まで引っ張られませんでした。
IMF危機。
会社再建。
青年の成長。
社員との絆。
競合との対立。
材料は、かなり揃っています。
なのに、どれも深く刺さるところまでは来ない。
評判が良かったから期待しすぎたのかもしれません。
それでも、韓ドラが好きな人に広くおすすめしたい作品かと聞かれたら、少し違う。
ジュノが好きな人には楽しめる。
その印象の方が、最後には強く残りました。
観終わったあとに残ったもの
ジュノは良かったし、テプンが変わっていく姿も分かる。
社員たちとの関係には温かさがあって、最後まで観られる作品ではあります。
ただ、期待していたものが、少しずつ足りなかった。
IMF危機を描くなら、もっと時代の重さを感じたかった。
会社再建を描くなら、もっと仕事の緊張感がほしかった。
青年の成長を描くなら、もう少し痛みまで見たかった。
ひとつひとつはある。
でも、どれも少し浅い。
観終わったあとに強く残った場面も、しばらく考えてしまうような感情もありませんでした。
評判も良かった。
期待もしていた。
だから余計に、
残念。
最後に残ったのは、その感覚でした。
『テプン商事』が刺さらなかったなら、次は『交渉の技術』
『テプン商事』で物足りなかったのが、
会社を背負う人間たちの駆け引きや、仕事そのものの緊張感だったなら、『交渉の技術』へ。
経営危機に陥ったサンイングループの再建を託された、“伝説の交渉人”ユン・ジュノ。
こちらも会社の危機を扱いますが、中心にあるのは人情よりも交渉です。
誰が何を欲しがっているのか。
どこまで譲るのか。
何を切り札にするのか。
会話ひとつ、判断ひとつで状況が変わっていく。
『テプン商事』にもう少し仕事ドラマとしての緊張感がほしかったなら、
その物足りなさを埋めてくれる作品です。
韓国映画もオススメです


















