4.9/5
誰かに見てほしい。
認めてほしい。
その気持ちは、たぶん誰の中にもある。
でも「見られたい」が人生そのものになった時、人はどこまで壊れてしまうのか。
『マスクガール』は、そんな承認欲求の危うさを、かなり強烈な温度で突いてくる作品でした。
ただのサスペンスでもない。
復讐劇でもない。
ブラックコメディという言葉だけでも収まらない。
笑っていたはずなのに、途中から笑えなくなる。
観終わったあと、不思議な疲労感と余韻が残るタイプです。


韓国ドラマ「マスクガール」
どんな人におすすめ?
- どんな人に向いてる?
-
- 普通の韓ドラに少し飽きてきた
- 人間の欲望や歪さを描く作品が好き
- 先の読めない展開に振り回されたい
- 「人間って怖い」が好き
- ブラックユーモアが大丈夫
- 逆に、向いていない人は?
-
- 恋愛要素メインを求めている
- 明るくスカッとする作品が観たい
- 登場人物に感情移入して安心したい
- 後味の良さを重視する
作品情報
・配信:Netflix
・配信日:2023年8月18日
・エピソード:全7話
・ジャンル:ブラックコネディ / サスペンス / 復讐
・監督:キム・ヨンフン
・出演:イ・ハンビョル、ナナ、コ・ヒョンジョン、アン・ジェホン、ヨム・ヘランほか
あらすじ
子どもの頃から、人前で踊ることが大好きだったキム・モミ。
アイドルになる夢を抱いていたものの、成長するにつれて“顔”によって夢を諦めることになる。
大人になったモミは、平凡な会社員として働いていた。
でも心の奥にはずっと残っている。
誰かに見てほしい。
注目されたい。
愛されたい。
その気持ちを隠せなかったモミは、夜になると顔をマスクで隠し、「マスクガール」としてライブ配信を始める。
仮面をつけた時だけ、自分が欲しかった視線を浴びられる。
そんなある日、酒に酔った勢いで取り返しのつかない出来事が起きる。
そして届いた、一通のメール。
「君の正体を知っている」
そこから人生は少しずつ、音を立てて崩れていく。
視聴方法
感想
誰も悪人じゃないのに、全員ちょっと怖い
このドラマの面白さって、悪人探しじゃないところだと思う。
もちろん、嫌な人はたくさん出てくる。
でも観ているうちに少しずつ分かってくる。
みんな何かを欲しがっていて、何かが足りない。
愛されたい。
認められたい。
見返したい。
その気持ちが少しずつ歪んでいった結果、ただ方向を間違えてしまった人たちにも見えてくる。
だから怖い。
完全な悪じゃなくて、現実にいそうな欲望だから。
「自分には関係ない」と言い切れない嫌なリアルさがあります。
3人1役が、想像以上に効いている
最初は「3人で同じ役?」と思った。
でも観終わる頃には、この形じゃないと成立しなかった気がする。
人って時間が経つと顔だけじゃなく、表情も目も雰囲気も変わる。
生き方で人は別人みたいになっていく。
その変化を、ひとりの女優がメイクで再現するんじゃなくて、本当に別の人で繋いでいく。
だから余計に怖い。
同じキム・モミなのに、人生の傷が積み重なるたびに、まるで別人に見えてくる。
その感覚がかなり独特でした。
途中から笑えなくなるブラックコメディ
前半はかなりクセが強い。
テンポも独特で、ちょっと笑える場面もある。
でも途中から空気が変わる。
「あれ?」
と思った頃には、もう別の作品みたいな重さになっている。
人間の欲望が連鎖して、誰かの小さな選択が次の悲劇を呼ぶ。
そして気づく。
このドラマが怖いのは事件じゃなくて、人間そのものなんだと。
このドラマが長く残る理由
『マスクガール』は外見の話をしているようで、たぶん本当は違う。
「誰かに認めてほしい」
その気持ちの話だと思う。
SNSも配信も、顔を隠せる世界も珍しくなくなった今だからこそ、かなり刺さる。
見られること。
評価されること。
誰かの反応で自分を測ること。
それ自体は、きっと悪いことじゃない。
でも気づかないうちに、自分の人生の中心になっていたら。
このドラマはそこを静かに、でも容赦なく突いてきます。
まとめ
『マスクガール』は、スカッとする作品ではありません。
むしろ観終わったあと、少し気持ちがざわつく。
なんでこんなに苦しくなるんだろう。
なんでこんなに嫌な気持ちが残るんだろう。
でも、その理由を考え始めた時点で、このドラマに捕まっている気がする。
他人の物語を観ていたはずなのに、気づけば少しだけ自分の話になっている。
たぶんそれが、この作品の怖さです。


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