古い無線機から聞こえてくる、過去を生きる刑事の声。
現在と過去。
本来なら交わるはずのない二つの時間がつながり、未解決だった事件が再び動き始める..
プロファイリング、時効、科学捜査。
一つの手がかりから次の事実へ、そこからさらに別の事件へ。
畳み掛けるように物語が動いていく。
止まらない。
未解決事件を追う刑事ドラマとしての面白さと、過去を変えることの怖さ。
そして、どうしても救いたい人がいるという感情。
ファンタジーが得意ではなくても、サスペンスの力だけで引っ張っていく。
韓国ドラマの刑事サスペンスを語るなら、やはり外せない一作です。

どんな人におすすめ?
- どんな人に向いてる?
-
- 未解決事件や刑事ものが好き
- プロファイリングや科学捜査に惹かれる
- 次々と展開するスピード感のあるドラマが観たい
- 伏線がつながっていく物語が好き
- ハラハラしながら一気に観られる韓国ドラマを探している
- サスペンスだけでなく、人間ドラマもしっかり味わいたい
特に、事件が少しずつ解決していくタイプの刑事ドラマが好きなら相性はかなりいいです。
一つの事件を追っていたはずなのに、その先からまた別のものが見えてくる。過去で起きたことが現在へ影響し、現在の行動がまた過去を揺らしていく。
その連鎖が、『シグナル』を止められなくします。
- 逆に、向いていない人は?
-
時間を超えて通信するという設定そのものを受け入れられない場合は、少し入りにくいかもしれません。
刑事ドラマとしてはかなりリアルな温度を持ちながら、物語の根幹には明確なファンタジー要素があります。
また、未解決事件や犯罪を扱うため、全体の空気は軽くありません。じっくり観る必要のある場面も多く、気楽な作品を流して観たい日には少し重く感じそうです。
ただ、ファンタジーが苦手でも、サスペンスが好きなら一度は試してほしい作品。
その設定以上に、事件を追う面白さが強く残ります。
こんな日に観てほしい
派手な刺激より、ひとつの事件が別の事件へつながっていく感覚をじっくり追いたい夜に。
「次はどうなる?」だけではなく、「過去を変えることは本当に正しいのか」まで考えながら観たい日に向いています。
作品情報
・配信日:2016年1月22日
・エピソード:全16話
・ジャンル:犯罪/サスペンス/ヒューマン
・演出:キム・ウォンソク
・脚本:キム・ウニ
・出演:イ・ジェフン、キム・ヘス、チョ・ジヌン、チョン・ヘギュン、チャン・ヒョンソン ほか
脚本は『サイン』『キングダム』『悪鬼』などを手がけるキム・ウニ。演出は『ミセン-未生-』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』などのキム・ウォンソクです。
イ・ジェフン、キム・ヘス、チョ・ジヌンという実力派俳優が主要人物を演じ、百想芸術大賞でも評価された作品です。
あらすじ
プロファイラーのパク・ヘヨンは、ある日、
廃棄されるはずだった古い無線機から聞こえてくる声を耳にします。
無線の向こうにいるのは、刑事イ・ジェハン。
ジェハンから伝えられた情報をもとに、ヘヨンは長年未解決だった事件の手がかりへとたどり着きます。
しかし、やがて奇妙な事実が判明します。
ジェハンがいるのは、現在ではない。
二人は同じ無線機を通じて、異なる時間から交信していました。
ヘヨンは刑事チャ・スヒョンらとともに長期未解決事件を追いながら、
過去にいるジェハンとの交信を続けていきます。
過去が変われば、現在も変わる。
事件を解決するための一本の無線が、やがてそれぞれの人生まで大きく動かしていきます。
『シグナル』はどこで観られる?
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感想
プロファイリング、時効、科学捜査。刑事ドラマとして純粋に面白い

『シグナル』で最初に引き込まれたのは、時間を超える無線ではありませんでした。
事件捜査そのものです。
プロファイリングから犯人像を絞り、わずかな証拠を追い、
科学捜査によって過去には分からなかった事実へ近づいていく。
そこへ「時効」が迫ってくる。
分かりそうなのに、間に合わない。
あと少しなのに、手が届かない。
この焦りがずっと続きます。
そして、一つ何かが分かったと思ったところで終わらない。
新しい事実が出る。
状況がひっくり返る。
また次が気になる。
展開の速さだけで無理に驚かせるというより捜査によって情報が積み上がっていくから、
自然とのめり込んでしまいます。
ハラハラして、次が気になって、また観る。
サスペンスを観ているときに欲しい感覚が、かなり詰まっています。
ファンタジーが苦手でも、無線機だけは受け入れられた

時間を超えて過去と現在がつながる。
冷静に考えれば、かなり大きなファンタジーです。
もともとファンタジー要素が得意ではないと、こういう設定には少し身構えます。
「そんなことあるわけない」が先に立ってしまうと、現実的な事件まで遠く感じてしまうからです。
でも『シグナル』では、それがあまり邪魔になりませんでした。
無線機が何なのか。
なぜ二人がつながるのか。
その不思議を楽しむことが物語の中心ではないからです。
大切なのは、つながったことで何ができるのか。
過去にいる刑事へ、現在で判明した事実を伝えられる。
まだ起きていない未来を変えられるかもしれない。
それなら、救えなかった人を救えるのではないか。
ここから『シグナル』は単なる刑事ドラマではなくなっていきます。
過去を変えれば、現在も変わる。
良い方向へ変わるとは限りません。
一つの命を救おうとした行動が、別の場所へ影響することもある。
無線がつながるたびに希望が生まれるのに、同時に怖くなる。
この危うさがあるから、ファンタジー設定が物語から浮きません。
むしろ、事件をさらに面白くする仕掛けになっています。
「過去なら、まだ間に合う」が生む緊張感

現在では、すでに終わっている事件があります。
被害者は戻らない。
犯人を捕まえても、起きてしまったことは消えません。
でも、無線の向こう側ではまだ事件が終わっていない。
そこにジェハンがいる。
この構造がとにかく強いです。
現在で見つけた手がかりを過去へ伝えれば、何かを変えられるかもしれない。
「まだ間に合う」
そう思った瞬間、何年も前の事件なのに、今まさに起きている事件のような緊張感が生まれます。
しかも、時間は待ってくれません。
無線がいつでも自由につながるわけではなく、伝えたいことを全部伝えられるわけでもない。
あと少し。
もう少し早ければ。
その繰り返しが、未解決事件という題材と非常によく合っています。
ただ謎を解くだけなら、ここまで苦しくはならなかったかもしれません。
解ければ終わりではない。
救えるかもしれないから、必死になる。
そこが『シグナル』のサスペンスを、人間ドラマへ変えていきます。
イ・ジェフン、キム・ヘス、チョ・ジヌン。三人だから成立する

現在にいるプロファイラー、パク・ヘヨンを演じるイ・ジェフン。
長期未解決事件捜査班の刑事チャ・スヒョンを演じるキム・ヘス。
そして、過去から無線を送ってくる刑事イ・ジェハンを演じるチョ・ジヌン。
三人がずっと同じ時間、同じ場所にいるわけではありません。
それでも、物語が進むほど三人の関係が濃くなっていきます。
特にチョ・ジヌン演じるジェハン。
派手な天才刑事ではありません。
泥臭くて、不器用で、それでも事件を諦めない。
正義だけで何でも解決できる世界ではないことを知りながら、それでも動く。
その姿が、無線機の向こうにいるヘヨンだけではなく、観ている側まで引っ張っていきます。
キム・ヘスの存在も大きいです。
現在のスヒョンと過去のスヒョン。
同じ人物なのに、背負っている時間が違う。
事件を追うサスペンスの中で、年月そのものが人物を変えてしまうことまで見せてくれます。
だから『シグナル』は、事件だけを追っていても終わりません。
いつの間にか、人を追っています。
観終わったあとに残ったもの
思い返すと、不思議な無線機よりも残っているのは、事件を諦めなかった人たちです。
過去は変えられない。
普通なら、それで終わります。
でも『シグナル』には、その「普通」がありません。
もし、まだ間に合うなら。
もし、あのとき誰かがもう少し動いていたら。
もし、諦めなかったら。
未解決事件には、ずっと「もし」が残っています。
『シグナル』は、その「もし」を一本の無線機でつないだドラマでした。
ファンタジーは苦手だったはずなのに、観終わって残ったのはファンタジーではない。
間に合ってほしい。
ただ、それだけでした。
『シグナル』が刺さったなら、次はこれ
『秘密の森』
事件の真相をひとつずつ積み上げていく緻密さが好きだったなら、
『秘密の森~深い闇の向こうに~』
派手さよりも、証拠と人物を追いながら巨大な闇へ近づいていく面白さがあります。

『ボイス』
息をつかせないスピード感と、「間に合うのか」という緊張が好きだったなら、
『ボイス~112の奇跡~』
わずかな音を手がかりに被害者を追う展開は、とにかく切迫感があります。
『シグナル』でハラハラする感覚が好きだった人には、かなり入りやすい一作です。

『怪物』
未解決事件の奥にある人間の感情まで引きずりたいなら、
『怪物』
誰を信じていいのか分からないまま、過去の事件と現在が少しずつつながっていく。
スピードより心理の深さへ進みたいときに。

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